よもやま話第3話        懐かしい ノーエ節

12月3日のNHKTV「鶴瓶の家族に乾杯」の番組で女優の杏さんと伊豆の国市を訪ねていました。その中で、鶴瓶さんが正調「ノーエ節」を地元の方から聞かせてもらう場面がありました。「農兵節」とも言うことを始めて知りましたが、それで懐かしく思い出すことがあります。

先代住職、秦博信(第40代住職、昭和16年から平成になるまで約50年間住職勤める)は、村の人から「万歳!万歳!」と送ってもらって出征したが、すぐに終戦となったそうです。戦前の仏教専門学校(仏教大学の前身)で特待生として優秀な成績でもあったので、戦後の就職難の中、福島商業高校(現在、履正社高校)に奉職でき、数年後、大阪府立北野高校定時制の国漢の教師となり定年まで勤めました。漢詩も作れる人で、漢和辞典・古語辞典がそのまま頭の中にあるような博学でした。

教え子達は卒業すると、正月などに恩師のお寺、安楽寺に集まって宴会をするのが恒例になっていました。  先代は、下戸で一滴もお酒が飲めなかったので、会が始まるといつしか教え子だけの宴会になっていました。その時によく歌われていたのが、この「ノーエ節」です。
子供心にそれを隣の部屋で聞いていましたが、歌詞が簡単、曲も簡単な繰り返しなので意味もわからずすぐに覚えました。  NHKの番組を見て懐かしく思い出しました。私が、小中学生(昭和30年代)の頃の話です。当時の生徒はよく勉強していたと思います。特に、定時制夜間に勉学する人達は本当に苦学生でした。勉強も優秀、仕事にも一生懸命であったように思います。

ノーエ節

富士の白雪ゃノーエ  富士の白雪ゃノーエ
富士のサイサイ 白雪ゃ朝日でとける
とけて流れてノーエ  とけて流れてノーエ
とけてサイサイ 流れて三島にそそぐ
三島女郎衆はノーエ 三島女郎衆はノーエ
三島サイサイ女郎衆はお化粧が長い
お化粧長けりゃノーエ  お化粧長けりゃノーエ
お化粧サイサイ 長けりゃお客がこまる
お客こまればノーエ  お客こまればノーエ
お客サイサイ こまれば石の地蔵さん
石の地蔵さんはノーエ  石の地蔵さんはノーエ
石のサイサイ 地蔵さんは頭が丸い
頭丸けりゃノーエ  頭丸けりゃノーエ
頭サイサイ丸けりゃ烏がとまる
烏とまればノーエ  烏とまればノーエ
烏サイサイ とまれば娘島田
娘島田はノーエ  娘島田はノーエ
娘サイサイ 島田は情でとける

単純なリズムの繰り返しでだんだんに勢いが出て、終わりそうでまた戻って始まる、この歌を改めて聞くと、 この歌には、苦労を糧として、諸行無常、生々流転、今を精一杯に生き、がんばれば何とかなるという、往時の農兵、当時の苦学生の万感が詰まっているような気がします。

今、宴会ではカラオケで一人が歌う、昔はみんなで歌っていた、時代の流れでしょうか。
歌の苦手なものにとっては、宴会も辛いものになってきたようです。