住職は、今、知恩院の「御忌(ぎょき)」に出仕しております。(投稿日4月20日)
「御忌」は法然上人のご命日のお勤めを言います。法然上人没後、弟子達によって、毎年ご命日のお勤めをしていましたが、室町時代に天皇の勅命で勤められるようになって「御忌」と呼ばれるようになりました。「御」の字を「ぎょ」と読むのは、天皇に限られた呼び方で、法然上人の追恩のお勤めは、それほどの意味を持ったお勤めで、「御忌」と呼ばれ、500年の歴史を持つお勤めです。
法然上人のご命日は25日で、「御忌」は18日~24日まで直前のお勤めとして、25日はご命日当日のお勤めとして、500年間途絶えることなく勤められてきた、大きな法要です。
住職は、「御忌」に集まる全国からのお坊さんの儀式を司る「典謁(てんえつ)」というお役をするために毎年、この期間、知恩院に出仕しております。
御忌を迎えて幔幕が張られた知恩院山門
知恩院の石段 急で段差の大きい石段、毎年体力測定を兼ねてこの石段を登るが、一気に上がれず、途中で休むことが年々多くなってきました。
赤い毛氈が敷かれた堂内
荘厳された法然上人をおまつりしている宮殿(くうでん)。
荘厳整い、経机が並べられている法然上御堂
全国からお供えされた鏡餅 法然上人のご命日を勤めるのは、報恩のおかげを喜ぶことなので、紅白の鏡餅をお供えします。
典謁のお役を務める住職。 典謁とは、全国のお坊さんの受付をしたり、行道作法を指導したり、儀式が円滑に進むように司るお役を言います。
法然上人御堂には、800年遠忌の折りに天皇様より賜った大師号「法爾大師」の掛け軸が掛けられています。法然上人は、遠忌毎に大師号を賜り、この大師号で、天皇様より、8つ目の大師号を賜っています。
愛宕山の火伏せのお札が「御忌」の無事つとめられることをお守りしています。 江戸時代大火のために山内が燃えてしまったことがあります。それで、火伏せの守護の信仰を集めている愛宕山に参拝し、火が出ないように祈願し、お札をもらってくることが江戸時代から行われていました。今年も、その歴史に則って、知恩院のお坊さんが愛宕山に登り、防火を祈願、お札をいただき、「法爾大師」の掛け軸の上に祀られていました。