平成25年11月の言葉 「由来を知り、感謝する」
元々、「文化の日」は「明治節」という日、「勤労感謝の日」は「新嘗祭」と呼んでいました。
11月には、国民の祝日が2回あります。「文化の日」と「勤労感謝の日」です。「文化の日」は、日本国憲法が公布された日なので「文化の日」となっていますが、元は、近代日本に歩み始めた明治という時代を築く中心となった明治天皇の誕生日で、「明治節」と呼ばれていた祝日です(「節」とは「節句」、お祝いの日という意味)。明治6年に新暦が採用され、新暦に換算すると、11月3日が明治天皇の誕生日であったのです。
「勤労感謝の日」は、元は「新嘗祭」と呼ばれていました。「新嘗(にいなめ)」とは、その年に収穫された新しい穀物を食することをいい、新嘗祭は、古くからの重要な祭儀で、「豊葦原の瑞穂の国」の祭祀を司る最高責任者である天皇が、その年にとれた新穀を天神地祇に供えて、農作物の収穫を天地の神々に感謝するとともに、自らも初めて召し上がられる祭儀で、各地でも収穫物を神に捧げる祭りがおこなわれてきています。
古来、11月の「卯の日」におこなわれてきましたが、明治時代になって11月23日に定められたものです。
私たちが「勤労感謝の日で休みだあ~」と浮かれて遊びに出ていても、宮中では天皇が「新嘗」の祭儀をおこなわれているのです。
11月は、一年間の収穫に感謝する月であったのですから、感謝の思いを持たなければ、意味の無い月になってしまいます。一年の感謝をして、12月になれば、いよいよ新年を迎える準備に入るのが、日本人が続けてきた一年の巡りであるのです。
それぞれの仕事、会社、あるいは住んでいるところ、暮らしなど、今ある私は幾多の歴史の積み重ねの上に居ます。その成り立ち、由来を知って、振り返り、今あることを感謝することが11月の意味ではないでしょうか。
浄土宗カレンダー 11月の言葉
「再び会える 極楽浄土」 We’ll meet again, in the Pure land.