よもやま話 第9話 台北の春節
2月22~23日、安楽寺住職、台北を訪問。ーPart1ー
住職が縁あって台北を訪問しました。ちょうど春節の最中。春節の行事は旧暦1月15日(今年は2月24日)まで行われ、「ランタンまつり」と言って、賑やかに灯りのまつりが行われます。ちょうどその直前であったので、街路はイルミネーションで飾られ、「今が、一番きれいなときですよ」と聞きました。お正月は家族揃って家で過ごすので街は閑散としているそうですが、それが済むと15日のランタン祭に向けて賑やかに飾り、15日が明けると、やっと本格的に仕事を始め、日常に戻るそうです。
市中にある龍山寺では、提灯や特別に作った張り子の作り物が賑やかに飾られていました。台北の人はこれらの飾りを「光明燈」と呼んでいます。龍山寺の本殿は「観音様」をまつり、「天公(天の神様)」の香炉が置かれ、本殿の周囲に「文昌帝君(学問の神様)」「水仙尊王(海の神様)」「媽祖(航海漁業の神様)」「註生娘娘(子授けの神様)」「関聖帝君(関羽、商売の神様)」の7つの拝殿・公炉があります。それらを左回りに線香を立ててお参りしていきます。本殿の前の広場には机が置かれ、お供え物が赤い皿に盛って置かれています。仏教の観音様を本殿に祀っているものの土俗のいろんな神様も祀られ、道教と民間信仰と同居している台湾独特の信仰形態を示しているようです。
お経を読む人、お供えをする人、線香を立て行く人、大勢の人が、我関せずとばかりに、自分の祈りたいことを一心にしています。春節なので、今年一年の祈りをしているようです。参拝者に倣って住職も7カ所を順番にお参りさせていただいた。南西角のコーナーには本屋のようにお経本が積み上げられており、お参りする人が自由に持って行って良く、そのお経本を持って熱心に読んでいる人が多い。観音経、阿弥陀経などあらゆるお経が置かれていました。
如法衣を着けた熱心な信者なのだろうか(剃髪していないのでお坊さんではないとのこと)、堂内で木魚を叩いておつとめを始めると、境内で参拝している人達があちこちで一緒にお経を上げている。手に持っている経本を見ると「阿弥陀経」でした。聞いていると「ナモアミトフ」「アミトフ」と唱えていました。
如法衣を着けているが剃髪していないのでお坊さんではないそうです。
唱えているのは阿弥陀経です
「ナモアミトフ」と唱えている。ロウソクは赤いのが普通で、
白いロウソクはお葬儀の時に使うとのことです
境内のそこかしこに立って「アミトフ」と唱えている。一方、お線香を持っ
てお参りする人もあり、観光の人もあり、混然一体という感じです。